キヤノン第3四半期決算|イメージングがけん引、9カ月累計は増収増益 ― 日経平均は63,268円で反発

こんにちは、ミラです。

10月27日の東京市場は反発し、日経平均株価は63,268.37円で引けました。そして大引け後の15時30分、キヤノン(7751)が2026年12月期第3四半期決算を発表しました。2026年1〜9月の9カ月累計は、売上高・営業利益・純利益のいずれも前年同期を上回る増収増益でした。決算発表が引け後のため、株価の反応は28日以降に持ち越されます。まずは確定した市況と決算の中身を整理します。

27日の市況(大引け確定値)

指標 終値 前日比
日経平均株価 63,268.37円 +1,078.72円(+1.73%)
TOPIX 3,997.37 +24.39ポイント(+0.61%)

日経平均は前日までの3営業日続落から反発し、一時は2%を超える上昇となりました。けん引したのは半導体関連で、アドバンテストは33,860円(+8.98%)、ソフトバンクグループは+4.95%、東京エレクトロンは+3.07%でした。イビデン(+8.54%)やSUMCO(+5.50%)も上昇しています。日経平均採用銘柄では値上がり124銘柄に対し、値下がり100銘柄でした。一方、下落が目立ったのは第一三共(-8.16%)、日本取引所グループ(-4.83%)、三菱地所(-4.04%)です。指数の上昇ほど全面高ではありませんでした。

キヤノンの第3四半期決算(2026年1〜9月累計、米国会計基準)

項目 2026年1〜9月 前年同期 前年同期比
売上高 3,433,357百万円(3兆4,333億円) 3,302,891百万円 +4.0%
営業利益 327,684百万円(3,277億円) 302,355百万円 +8.4%
税引前四半期純利益 358,442百万円(3,584億円) 314,149百万円 +14.1%
当社株主に帰属する四半期純利益 246,409百万円(2,464億円) 219,571百万円 +12.2%
1株当たり四半期純利益(基本的) 287.24円 240.99円 +19.2%

営業利益率は9.5%で、前年同期の9.2%からやや上がっています。売上総利益率は48.5%(前年同期46.9%)で、原価率の改善も利益を押し上げました。なお、今回の決算短信は監査法人によるレビュー前のもので、レビュー報告書を添付した決算短信は10月30日に開示される予定です。

セグメント別:イメージングがけん引、メディカルとインダストリアルは減益

セグメント 売上高(合計) 前年同期比 営業利益 前年同期比
プリンティング 1,867,421百万円(1兆8,674億円) +2.3% 208,158百万円(2,082億円) +3.0%
メディカル 407,363百万円(4,074億円) -1.2% 10,790百万円(108億円) -40.6%
イメージング 847,617百万円(8,476億円) +16.7% 144,394百万円(1,444億円) +33.2%
インダストリアル 218,891百万円(2,189億円) -10.7% 30,105百万円(301億円) -24.8%

けん引役はイメージングです。売上高が16.7%増、営業利益が33.2%増と、増収率を大きく上回る増益になっています。プリンティングは売上・利益とも小幅な増加で底堅く推移しました。反対に、メディカルは売上高が1.2%減にとどまったものの営業利益が40.6%減、インダストリアルは売上高10.7%減・営業利益24.8%減と、2つのセグメントの減益が全体の足を引っ張る形です。全体が増益になったのは、イメージングとプリンティングの利益増がその分を補ったためです。

通期予想は下方修正

項目 前回予想 2026年通期予想 前期比
売上高 4兆8,000億円 4,766,000百万円(4兆7,660億円) +3.1%
営業利益 4,650億円 456,000百万円(4,560億円) +0.1%
税引前当期純利益 4,920億円 483,000百万円(4,830億円) +0.2%
当社株主に帰属する当期純利益 3,400億円 333,000百万円(3,330億円) +0.3%
1株当たり当期純利益 ― 390.78円 +6.3%

決算短信でも、業績予想について「直近に公表されている業績予想からの修正の有無:有」と記載されています。下方修正の理由として報じられているのは、メディカルビジネスユニットの生産正常化です。前回は2026年9月を見込んでいたものが来年以降になる見通しとなり、売上への影響額が約450億円から約900億円に悪化したとされています。基板や基板に使う電子部品がAI関連需要を背景に逼迫していることも、遅延の要因と報じられています。

配当予想については修正がなく、2026年12月期の年間配当は160円(中間80円・期末80円)の見通しです。

通期予想から9カ月実績を単純に引くと、第4四半期に求められる営業利益は約1,283億円になります(456,000百万円−327,684百万円=128,316百万円。会社が示した予想ではなく、単純計算です)。9カ月間の四半期平均(約1,092億円)を上回る水準で、通期予想の達成には第4四半期の上積みが必要です。

ミラの見方

今回の決算で目立つのは、部門ごとの温度差です。イメージングの好調さが全体を引っ張る一方、メディカルとインダストリアルの減益がはっきりしています。全体の増益だけを見て「好調」と片づけるのではなく、どの部門が稼いで、どの部門が苦しいのかを分けて見ることが、次の四半期を予想するうえでも大事だと思います。

28日以降は、まずこの決算に対する株価の反応と、28日に決算を発表するアドバンテストなど半導体関連の動きが注目点です。30日にはレビュー付きの決算短信の開示も予定されており、数字の最終確認も含めて追っていきたいところです。


※本記事は、公開情報をもとに作成した情報提供のためのもので、個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

※本記事の市況の数値は2026年10月27日の大引け確定値、キヤノンの決算数値は同日15時30分に発表された2026年12月期第3四半期決算短信(米国会計基準、2026年1月1日〜9月30日の累計)に基づきます。通期予想から9カ月実績を引いた第4四半期の金額は、会社が示した予想ではなく単純計算です。

※出典:キヤノン公式・2026年12月期第3四半期決算短信、同社公式決算説明資料(ともに2026年10月27日)、株探・10月27日の日経平均大引け速報を確認しました。決算短信のセグメント売上高は内部取引を含む合計値です。

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