量子コンピュータ株はこれから伸びる?実需はあるのか調べてみた

最近、量子コンピュータについて少し調べています。

AI関連株が大きく注目された流れもあり、「次は量子コンピュータ関連株なのでは」と考える人も増えているように思います。

ただ、量子コンピュータは名前のインパクトが強い一方で、まだ一般消費者が日常的に使う技術ではありません。

そこで今回は、量子コンピュータ株は今後伸びるのか、そして実需は本当にあるのかという点について、現時点で考えていることをまとめます。

量子コンピュータは「普通のPCの超高速版」ではない

まず大前提として、量子コンピュータは現在のPCやサーバをそのまま何百倍、何千倍にも高速化するような機械ではありません。

ブラウザ表示、文書作成、一般的なゲーム処理、OSの処理などは、従来型のコンピュータの方が向いています。

一方で、量子コンピュータは特定の問題に対して強みを発揮する可能性があります。

たとえば、量子化学、材料開発、創薬、一部の最適化、暗号関連、複雑なシミュレーションなどです。

将来的にはCPUやGPUを置き換えるというより、CPU+GPU+量子プロセッサのように、得意な処理だけ量子コンピュータへ任せる形が現実的なのだと思います。

AIと量子コンピュータは相性が良さそう

個人的に面白いと感じるのが、AIとの組み合わせです。

たとえばAIが新薬や新素材の候補を大量に考え、その中から量子コンピュータを使って分子や材料の挙動をシミュレーションする。

その結果をAIが分析して、さらに次の候補を考える。

こうしたループが高速化できれば、現実世界で1つずつ試す必要のあった実験のかなりの部分を、事前のシミュレーションで絞り込めるかもしれません。

もちろん「何でも一瞬で実験できる」という話ではありませんが、研究開発のスピードを大きく上げる可能性はありそうです。

量子コンピュータには、すでに実需がある

では、量子コンピュータはまだ完全な夢物語なのかというと、そうでもありません。

すでに大学、研究機関、政府、企業などが量子コンピュータを導入したり、クラウド経由で利用したりしています。

IBMは量子コンピュータをクラウドで提供しており、企業・研究機関・大学などからなる大規模な量子ネットワークを構築しています。

またIBMは2026年に量子計算とHPC(高性能計算)を組み合わせた量子優位性の実証を目指し、2029年には大規模なフォールトトレラント量子コンピュータ「Starling」の実現をロードマップとして掲げています。

さらに2026年6月には、今後5年間で量子コンピューティング分野に100億ドル超を投資する計画も発表しました。

参考:IBM Quantum Roadmap
IBM 量子コンピューティングへの100億ドル超投資

ただし、今の売上規模はまだ小さい企業も多い

一方で、量子コンピュータ専業企業の業績を見ると、まだ「巨大な実需が立ち上がった」と言える段階ではないことも分かります。

たとえばRigetti Computingは、2026年4〜6月期の売上高が約510万ドルでした。

一方で同期間の営業損失は約2,810万ドルとなっており、研究開発費の負担がかなり大きい状況です。

それでも、Pittsburgh Supercomputing Centerへの量子システム供給や、大学・研究機関・政府系顧客への導入は進んでいます。

つまり、実需は確かに存在するものの、現時点では研究開発用途が中心で、売上規模はまだ小さいというのが実態に近そうです。

参考:Rigetti Computing 2026年Q2決算

本格的な実需が生まれるのは「使うと得をする」と証明された時

量子コンピュータ市場が本当に大きくなるのは、研究用の珍しい機械ではなく、企業が使うことで明確に利益を得られるようになった時だと思います。

たとえば、従来のスーパーコンピュータでは数週間かかっていた材料シミュレーションが数時間で終わる。

新薬候補の探索コストを大幅に減らせる。

複雑な物流や製造工程の最適化で、実際にコストを削減できる。

こうした成果が再現可能な形で出てくれば、製薬、化学、金融、物流、製造、防衛など、幅広い業界から予算が流れ込む可能性があります。

逆に言えば、そこまで到達できなければ、「将来性はあるが利益には結びつかない」状態が長く続く可能性もあります。

量子コンピュータ株は期待先行になりやすい

投資対象として見ると、ここが一番難しいところです。

量子コンピュータには将来性があります。

ただし、株価は実際の売上よりも先に「将来どこまで成長するか」という期待で動きやすいです。

そのため、技術的なニュースや大型契約が出ると大きく上昇する一方で、実用化の遅れや増資、研究開発コストの増加などで大きく下落する可能性もあります。

特に専業企業は、IBMのように他の大きな本業を持つ企業とは違い、量子コンピュータ事業そのものの成否が業績に直結します。

成功すれば大きな上昇余地がある一方、かなり投機的な銘柄でもあると思います。

買うなら「未来技術枠」として少額が面白そう

個人的には、量子コンピュータ株を買うのであれば、主力資産にするよりも「未来技術枠」として少額持つ方が面白そうだと感じています。

AI株と同じように、もし本当に実需が急拡大すれば大きく伸びる可能性があります。

一方で、実用化が数年、あるいは10年以上遅れることも十分あり得ます。

そのため、「これに賭ければ将来FIREできる」と考えるより、成功すれば面白い程度の金額に抑える方が自分には合いそうです。

まとめ

量子コンピュータには、すでに研究機関・政府・企業などの実需があります。

ただし現在の市場はまだ研究開発用途が中心で、専業企業の売上規模を見ると、巨大な商用市場が完成しているとは言えません。

今後、量子コンピュータを使うことで明確にコスト削減や研究開発の高速化ができるようになれば、実需が一気に拡大する可能性があります。

その意味では、量子コンピュータ株はかなり夢のあるテーマです。

ただ、今はまだ「実需はあるが、期待が先行しやすい段階」と考えておいた方がよさそうです。

私自身も、もし買うとすれば大きく賭けるのではなく、未来技術への投資として少額から考えてみたいと思います。

※本記事は個人の考えをまとめたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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