こんにちは、ミラです。
10月30日の東京市場は、日経平均株価が前日比1369円36銭安の6万3290円11銭で大引けを迎えました。午前の1639円安からは下げ幅を縮めたものの、4日ぶりの大幅反落です。ただ、引け後に発表された決算は、指数の印象とは対照的でした。東京エレクトロンは従来非開示だった通期業績予想を公表し、TDKは通期予想を上方修正しました。一方、レーザーテックの7〜9月期は減益でした。昼の記事で予告したとおり、植田和男日銀総裁の記者会見と引け後の決算を中心に、1日の確定値を整理します。
大引け(10月30日):日経平均63290円11銭、TOPIXは3965.07
30日の東京市場では、前日の米ハイテク株安の流れを受けて、値がさのAI・半導体関連株に売りが集中しました(https://www.reuters.com/jp/markets/japan/EEWONGRYUBM2BOTUR7YWMDOTCE-2026-10-30/)。アドバンテスト、東京エレクトロン、ソフトバンクグループ、イビデンの4銘柄で日経平均を1100円あまり押し下げたと報じられています(https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFL29CHC0Z21C26A0000000/)。
| 項目 | 10月30日の値 |
|---|---|
| 日経平均(大引け) | 63290円11銭(前日比-1369円36銭、-2.12%) |
| 日経平均(前引け) | 63019円78銭(前日比-1639円69銭) |
| 日経平均(寄り付き) | 64344円37銭(前日比-315円10銭) |
| 日経平均(午前の安値) | 62711円42銭 |
| TOPIX(大引け) | 3965.07ポイント(前日比-38.21ポイント、-0.95%) |
| 東証プライムの値上がり・値下がり銘柄数 | 値上がり804、値下がり712、変わらず31 |
前引けの1639円安から大引けは1369円安へと下げ幅が縮み、値上がり銘柄数も804と過半数に達しました。指数の2.12%安とTOPIXの0.95%安の差が示すとおり、この日の下げは市場全体の崩れというより、値がさの半導体関連株に売りが集中した構図でした。昼の記事でも同じ点を指摘しましたが、大引けの銘柄数を見ても、その構図は変わっていません。
植田総裁の記者会見(10月30日15時30分から):利上げは「次回会合含め判断」
日銀の植田和男総裁は、30日午後3時30分からの記者会見で、利上げ時期について、次回12月の会合を含め「毎回の会合で物価見通しの実現の確度やリスクを点検して判断する」と述べました(https://www.kanaloco.jp/news/economy/article-1316795.html)。12月利上げを明言したわけでも、否定したわけでもありません。昼の記事で整理した決定内容(政策金利1.25%で据え置き、基調物価の2%到達表明)とあわせて読むと、今回の会合は「利上げ路線は維持するが、時期は毎回判断する」という、従来の慎重な姿勢の延長でした。
為替の反応も限定的でした。ドル円は会合結果の発表後に一時157円10銭台まで円高方向に振れたあと、午後は買い戻しが優勢となり、157円70銭近くまで反発したと報じられています(https://fx.minkabu.jp/news/383086)。決定直後の円買いが続かなかったのは、12月の追加利上げがある程度織り込まれていたためとの見方も伝えられています。
引け後の決算1:東京エレクトロン、通期経常は87%増の過去最高益予想へ
東京エレクトロンは30日大引け後(15時30分)に、2027年3月期第2四半期累計(4〜9月)の決算を発表しました(https://s.kabutan.jp/news/k202610300239/)。上期は大幅な増収増益で、非開示だった通期予想は過去最高益の見通しを示しました。
| 項目 | 上期(4〜9月)実績 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 1兆6674億5500万円 | +41.3% |
| 営業利益 | 5067億7600万円 | +67.2% |
| 経常利益 | 5144億100万円 | +67.6% |
| 最終利益 | 3769億2900万円 | +56.0% |
通期の業績予想は、売上高が前期比51.4%増の3兆7000億円、最終利益が同50.6%増の8650億円、経常利益が同87.0%増の1兆1790億円で、2期ぶりの過去最高益を更新する見通しです(https://s.kabutan.jp/news/k202610300239/)。あわせて、取得総数2500万株(自己株式を除く発行済み株式総数の1.1%)、取得総額1500億円を上限とする自社株買いを、11月1日から2027年3月31日の間に実施すると発表しました(https://minkabu.jp/news/4647608)。
ここで注意したいのは、当日の東京エレクトロンの株価そのものは決算発表前に9514円、前日比521円(5.19%)安で引けていたことです(https://minkabu.jp/news/4647608)。つまり、30日の株価の下落はこの決算を受けたものではなく、米ハイテク株安の流れによるものでした。決算の評価は、週明け11月2日の株価に反映されることになります。
引け後の決算2:TDK、最終利益予想を2800億円へ24%上方修正
TDKも30日大引け後(15時30分)に、2027年3月期第2四半期累計(4〜9月)の決算を発表しました(https://s.kabutan.jp/news/k202610300188/)。データセンター向け電子部品の需要伸長を背景に、通期予想を上方修正しています。
| 項目 | 上期(4〜9月)実績 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 1兆5605億7900万円 | +31.9% |
| 営業利益 | 2081億5600万円 | +41.0% |
| 最終利益 | 1764億2100万円 | +58.4% |
通期の最終利益予想は、従来の2250億円から2800億円へ24.4%上方修正され、前期比43.1%増と、従来の過去最高益予想をさらに上乗せしました(https://s.kabutan.jp/news/k202610300188/)。売上高は前期比21.8%増の3兆0500億円、営業利益は同34.0%増の3650億円を見込み、年間配当予想も従来計画の40円から50円へ10円増額しました(https://www.reuters.com/jp/economy/P2MEV6EE7FP6BOHSISBRPYDQKY-2026-10-30/)。アナリスト17人の予想平均値2687億円を上回る水準だと、ロイターは伝えています。
引け後の決算3:レーザーテック、7〜9月期は経常46%減益
半導体関連でも、明暗は分かれました。レーザーテックは30日大引け後(15時45分)に、2027年6月期第1四半期(7〜9月)の決算を発表し、連結経常利益は前年同期比45.8%減の147億円に落ち込みました(https://s.kabutan.jp/news/k202610300246/)。
| 項目 | 7〜9月期実績 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 403億6900万円 | -25.5% |
| 営業利益 | 157億6900万円 | -41.0% |
| 経常利益 | 147億1100万円 | -45.8% |
| 最終利益 | 107億3400万円 | -43.7% |
通期計画の経常利益1250億円に対する進捗率は11.8%で、5年平均の14.0%とほぼ同水準だと報じられています。東京エレクトロンやTDKの好決算と並べると、「半導体関連は一様に強い」という見方は成り立たず、銘柄ごとに受注や製品の局面が違うことが分かります。
ミラの見方
この日の一番のポイントは、「指数の下げ」と「引け後の決算の強さ」が同じ日の出来事として並んでいることです。日経平均の1369円安だけを見ると、AI・半導体への期待が崩れたように見えます。でも、引け後に東京エレクトロンが過去最高益予想を出し、TDKが上方修正したことは、少なくとも国内の半導体製造装置や電子部品の需要そのものが崩れたわけではないことを示しています。
もちろん、決算の強さが週明けの株価にそのまま反映されるとは限りません。30日の東京エレクトロンの株価が決算前に5%超下げていたように、市場は決算の中身よりも、米ハイテク株の時間外の動きや、週末を挟む持ち高調整に左右されやすい局面です。週明けに見るべきは、東京エレクトロンとTDKの株価が決算を素直に評価するかどうか、そしてレーザーテックのような減益銘柄との選別が進むかどうかです。
日銀については、植田総裁が12月利上げを明言しなかったことで、市場の関心は11月の経済指標や12月の日銀短観・金融政策決定会合へと移りました。2%到達の表明と据え置きの組み合わせは、昼の記事で書いたとおり「利上げ路線の維持と、時期の慎重な判断」の両立です。来週は、決算の続報と米国の経済指標が、日本株の次の方向を決める材料になりそうです。
※本記事は、公開情報をもとに作成した情報提供のためのもので、個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
※本記事の株価・指数の数値は2026年10月30日の大引け時点、決算の数値は同日大引け後に発表された各社の決算短信・報道にもとづくものです。東京エレクトロンとTDKの決算評価は週明けの株価に反映されるため、本記事の執筆時点では株価への影響は未確認です。
一次資料(2026年10月30日公表):東京エレクトロン決算短信(PDF)/東京エレクトロン自己株式取得枠(PDF)/TDK決算短信(PDF)/レーザーテック決算短信(PDF)/日本銀行の金融政策決定公表文。
※出典:ロイター「日経平均は4日ぶり反落、AI・半導体株が大幅安 日銀会合は反応薄」(2026年10月30日)、日本経済新聞「東証大引け 日経平均は4日ぶり反落 AI過剰投資懸念の再燃」(2026年10月30日)、共同通信「利上げ『次回会合含め判断』と日銀総裁」(2026年10月30日)、みんかぶ「ドル円はやや不安定な動き、会合後は一時円高も続かず=東京為替概況」(2026年10月30日)、株探「東エレク、非開示だった今期経常は87%増で2期ぶり最高益」(2026年10月30日)、みんかぶ「東エレク、未定だった27年3月期予想は最終益51%増 上限1.1%の自社株買いも」(2026年10月30日)、株探「TDK、今期最終を24%上方修正・最高益予想を上乗せ、配当も10円増額」(2026年10月30日)、ロイター「TDKが業績・配当予想を上げ、データセンター向け伸長」(2026年10月30日)、株探「レーザーテク、7-9月期(1Q)経常は46%減益で着地」(2026年10月30日)などをもとに作成しました(2026年10月30日夕方時点)。

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