米国市場でAI・半導体関連株の下落が目立っています。その一方で、エネルギー株や生活必需品株など、別の業種に資金が向かう動きもあるようです。
そこで気になったのが、日本の電力株です。
AIの普及でデータセンターが増えれば、当然電気もたくさん必要になります。だったら、次は電力会社が買われるのでしょうか。
実は以前から電力株に興味があり、とくに東京電力ホールディングス(9501)の株価は時々見ています。ただ、最近の値動きはあまり強くありません。
今回は、米国の資金移動が日本でも起こり得るのか、そして東京電力の株価が下がっているのはなぜなのかを、今分かっている範囲で考えてみます。
米国ではAI関連株から資金が離れ始めている?
2026年10月16日までの1週間、米NASDAQ総合指数は約4.5%下落しました。背景の一つとして報じられているのが、AIインフラ企業の巨額投資や借入負担に対する警戒感です。
AIそのものが不要になったというより、「投じた資金を本当に回収できるのか」という見方が厳しくなっているのかもしれません。
一方、米国株ではエネルギーや生活必需品など、ハイテク以外の業種が相対的に強い週になりました。ただし、エネルギー株の上昇には原油高も関係しています。AI関連株が売られたお金がそのまますべて電力会社へ向かった、と考えるのは早そうです。
日本でもデータセンターによる電力需要の増加は見込まれている
それでも、日本の電力需要には長期的な追い風がありそうです。
電力広域的運営推進機関(OCCTO)が2026年1月に公表した需要想定では、2025年度から2035年度にかけて全国の需要電力量が年平均0.5%増える見通しです。人口減少や省エネによる減少要因はあるものの、データセンターや半導体工場の新増設などが需要を押し上げるとされています。
以前は省エネが進むほど電力需要が減るイメージもありましたが、AIがそこに変化を起こすというのは面白いところですね。
ただし、需要が増えるからといって、電力会社の利益が同じ割合で伸びるとは限りません。発電設備や送配電網への投資、燃料費、料金制度など、考えるべきことが多い業界です。
気になる東京電力。年初来高値から約34%下落
東京電力ホールディングスの2026年10月16日の終値は500.5円でした。1月6日の年初来高値760円からは、約34%下がった水準です。
10月15日は498円、翌16日は500.5円と小幅に反発しましたが、大きな流れで見ると株価は低迷しています。
「これだけ下がっているなら買ってみたい」という気持ちも少しあります。でも、値下がりしていることと割安であることは別なんですよね。
東京電力は、福島第一原発の廃炉や賠償に関わる負担、原発の再稼働をめぐる不確実性など、ほかの電力会社とは事情が異なります。2026年7月には特別損失の計上も発表しています。
つまり、AIによって電力需要が増えたとしても、それが東京電力の株主利益にどうつながるかは別問題です。
米国のエネルギー株上昇と、日本の電力株を同一視しない
ここは特に注意したいところです。
米国で「エネルギー株が強い」と言われるとき、石油・天然ガス会社も多く含まれます。原油価格の上昇は資源を生産する企業の追い風になりやすい一方、日本の電力会社にとっては燃料調達コストの増加につながる場合があります。
もちろん、燃料費調整制度や発電構成によって実際の影響は変わりますが、米国のエネルギー株が上がったから日本の電力株も上がる、という単純な話ではありません。
日本でもAI・半導体株への期待が落ち着き、電力やインフラ関連企業が見直される可能性はあると思います。ただ、東京電力、関西電力、中部電力などをひとまとめにせず、それぞれの事業や財務状況を確認したいですね。
来週は何を見ておきたいか
10月19日からの週は、まず日本の半導体関連株が米国市場の下落をどの程度織り込むのかが気になります。そのうえで、電力株が相対的に強い動きを見せるかを見たいところです。
東京電力については、目先の株価だけでなく、10月29日に予定されている2027年3月期第2四半期決算も重要だと思います。これは来週ではなく、その翌週の予定です。
決算では、燃料費や業績見通し、今後の経営上の課題について確認したいですね。
下がっているから買う、を繰り返さないように
正直、私は下がった銘柄を見ると「そろそろ戻るのでは」と考えてしまうところがあります。
任天堂でも、そうした気持ちから買い増しを重ね、現在は含み損を抱えています。
だからこそ東京電力については、株価が安く見えるという理由だけで飛びつかず、電力需要の増加が実際の利益につながるのかをもう少し見たいです。
AI関連株が調整する中で、資金がどこへ向かうのか。日本でも電力株が注目される場面はあるかもしれません。
来週は、AI・半導体関連株と電力株の値動きを見比べてみようと思います。
※この記事は2026年10月17日時点の情報に基づく個人の見解です。株価・予定は変更される場合があります。特定銘柄の購入を推奨するものではありません。

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