こんにちは。Amazonについて調べていたところ、「Amazon Leo(アマゾン・レオ)」という衛星通信事業を知りました。以前、楽天モバイルとAST SpaceMobileの衛星直接通信について記事にしましたが、Amazonまで本格参入していると知って少し驚きました。
個人的には、楽天とAmazonのネット通販での競争を思い出します。楽天市場はいまも大きな存在感がありますが、Amazonの配送や使い勝手には手強さを感じます。楽天モバイルが衛星通信に挑戦するなら、今度は強みを発揮してほしいところです。楽天グループの株を持っている身としても気になります。
Amazon Leoとは?旧Project Kuiperの衛星インターネット
Amazon Leoは、かつて「Project Kuiper」と呼ばれていたAmazonの低軌道衛星ネットワークです。3,000機以上の衛星を計画し、地上の通信網が届かない地域にも高速インターネットを提供することを目指しています。衛星の本格配備は2025年4月に始まりました。
現行の主な構想は、家庭や企業などに専用アンテナを設置してインターネットを届ける方式です。Leo Nano、Leo Pro、Leo Ultraなどの端末があり、最上位端末は最大下り1Gbpsをうたっています。ただし、これは端末の公表上の最大性能で、利用者が常にその速度で通信できるわけではありません。
楽天モバイルとAmazon Leoは何が違う?
| 項目 | Amazon Leo | 楽天モバイル × AST SpaceMobile |
|---|---|---|
| 主な狙い | 衛星ブロードバンドで家庭・法人・官公庁などを接続 | 一般的なスマホと衛星の直接通信 |
| 現行の中心方式 | 専用の地上アンテナを使う | 専用アンテナなしのスマホ直接接続を目指す |
| 日本での進捗 | NTTグループが法人・官公庁向け提供を準備 | 2025年に国内で市販スマホのビデオ通話試験に成功 |
| 今後の計画 | 専用端末向け通信に加え、将来はスマホ直接通信へ | 2026年第4四半期のサービス開始を目標 |
このように比べると、現時点で両社は完全に同じサービスを提供しようとしているわけではありません。Amazonの衛星数が多いからといって、楽天のスマホ直接通信より優れていると即断することはできないのです。
楽天は市販スマホで衛星経由のビデオ通話に成功
楽天モバイルとAST SpaceMobileは2025年4月、日本国内で市販スマートフォンを利用した衛星経由のビデオ通話試験に成功したと発表しました。福島県の地球局と衛星を介して通信し、福島県と東京都のスマートフォン同士でビデオ通話を実現したとのことです。
楽天は2026年第4四半期のサービス開始を目指しています。ただし、試験成功と全国規模での安定した商用サービスは別の話です。衛星配備、通信品質、対応端末、料金、通信可能な時間帯など、実際に利用できる条件を確認する必要があります。
AmazonがGlobalstarを買収へ。スマホ直接通信にも参入
ここからがさらに興味深いところです。Amazonは2026年4月14日、衛星通信企業Globalstarを買収する契約を発表しました。報道による買収規模は約115億ドル。2026年10月27日には米連邦通信委員会(FCC)による承認が報じられました。
Globalstarは衛星を活用した緊急通信などの技術・事業基盤を持ち、Appleの衛星通信機能にも関係する企業です。Amazonはこれを取り込むことで、通常の携帯電話が衛星と直接通信する「Direct-to-Device(D2D)」にも事業を広げる計画です。
Amazonの発表によると、独自の次世代D2D衛星システムは2028年から配備を始める計画です。この年はあくまで配備開始の予定で、世界中で一般向けサービスが利用できる日を示すものではありません。買収の規制承認が報じられたことも、買収完了や新サービス開始と同義ではない点には注意したいです。
日本ではNTTグループもAmazon Leoと協業
2026年6月には、NTTドコモビジネスなどNTTグループ各社がAmazon Leoの再販事業者契約を締結したと発表しました。日本国内で法人や官公庁向けに提供するため、技術検証やサービス設計を進めています。
山間部や離島、災害時の通信バックアップなど、企業や自治体にとっても衛星通信は重要になりそうです。楽天モバイルとAmazon Leoを比較するつもりが、国内ではNTTグループの事業にもつながってくるのが面白いですね。
ネット通販のように、通信でもAmazonが強くなるのか?
Amazonの資金力や衛星を自ら開発・配備する規模を考えると、楽天にとって将来の競争相手になる可能性はあります。ネット通販でも楽天市場とAmazonは長年競争してきました。私自身、Amazonの物流やサービスの便利さを感じることが多いだけに、通信でも同じ展開にならないか少し心配です。
とはいえ、楽天には日本の携帯電話契約者との接点があり、AST SpaceMobileと組んで一般的なスマートフォンへの直接通信を目指しているという違いがあります。通信サービスは、衛星数だけでなく周波数の権利、国内ネットワークとの接続、携帯料金、利用できる端末や通信品質なども大切です。
一方、楽天は衛星を自社で大量に保有するのではなく提携先のASTの配備計画に依存する部分があります。楽天が予定どおりサービスを始められるか、追加料金が必要なのか、安定的に使えるのか。これらが利用者にとっての評価を左右しそうです。
投資家としては『衛星通信が始まった後』にも注目
楽天グループの株式を保有している立場としては、新サービスの実現に期待したいところです。ただ、衛星通信が使えるようになったというニュースだけで楽天の利益が大きく増えるとは限りません。
圏外エリアが減って顧客の解約を防げるのか、新規契約の獲得につながるのか、サービスの利用料金と提携コストが釣り合うのか。こうした面を確認したいと思っています。Amazonについても、多額の衛星投資や買収による事業拡大が将来的な収益に結びつくかが重要でしょう。
まとめ:Amazonの規模は脅威。ただし楽天にも別の強みがある
Amazon Leoは大規模な低軌道衛星網を構築し、さらにGlobalstar買収によってスマホ直接通信にも進出しようとしています。資金力や事業規模を見ると、非常に手強い存在になりそうです。
それでも楽天モバイルは、AST SpaceMobileと組み、専用アンテナを持たない市販スマホでの直接通信を実証しています。サービスの種類が異なる以上、現時点でAmazonが全面的に先行しているとは言えません。
楽天市場とAmazonの競争を見てきたからこそ、通信の分野では楽天にも存在感を示してほしいと思っています。今後はAmazonの衛星配備とGlobalstar買収の進展、楽天の商用サービス開始時期と通信品質を追っていきたいですね。
以前の記事:楽天モバイルの衛星通信はStarlinkを超えられる?
参考情報
- Amazon公式:Amazon Leoの概要
- Amazon公式:Globalstar買収とD2D構想(2026年4月14日)
- 楽天モバイル公式:市販スマホと衛星の直接通信試験(2025年4月23日)
- NTT公式:Amazon Leoとの再販事業者契約(2026年6月11日)
- Reuters:FCCによる買収承認報道(2026年10月27日)
※2026年10月29日時点の公表情報に基づく記事です。開発・商用化の時期や提供条件は今後変わる可能性があります。記事内の予測や感想は個人的な見解であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。

コメント