生成AIの普及が進むにつれて、以前から気になっていることがあります。
「AIって、結局ものすごく電気を使うのでは?」
AI用のデータセンターが世界中で増えれば、半導体だけではなく、それを動かす電力も必要になります。
そんな中、2026年10月6日に気になるニュースがありました。Googleが米Constellation Energyと、3,590MW(約3.6GW)規模の電力調達契約を結んだというものです。
Reutersによると、このうち約890MWは原子力発電所の設備増強による新規供給で、Constellationは11基の原子炉の増強などに43億ドル超を投資する計画です。
参考:Reuters「Google enters massive 3.6-GW power deal with Constellation Energy」
AIが伸びるなら電力株を買えばいい?
以前から私は、
AIが増える → 電力需要が増える → 電力会社が儲かるのでは?
と考えていました。
電力会社の株を少し買って、AI需要の拡大に乗れたら面白いのでは、と考えたこともあります。
ただ、調べたり考えたりしているうちに、それほど単純ではないように思えてきました。
一番気になるのが、電力は規制産業であることです。
仮にAIデータセンターの需要によって電力価格がどんどん上昇したとしても、電気は一般家庭から企業まで社会全体が利用するインフラです。
電気料金があまりにも上昇すれば、料金制度や補助など、政策的な対応が行われる可能性もあります。
そのため、
AIで電力需要が増える
↓
電気料金が上がる
↓
電力会社の利益も青天井
とは、なかなかならないのではないかと思っています。
それなら「電力を支える会社」の方が面白い?
そこで別の方向から考えてみました。
AIデータセンターを増設するには、単に発電量を増やすだけでは足りません。
発電した電気を運び、大量の電力をデータセンターへ送り、適切な電圧に変換し、サーバーへ安定して供給する設備も必要です。そしてサーバーから出る大量の熱も処理しなければなりません。
つまり今後必要になるのは、
発電所 → 送電網 → 変電設備 → データセンターの電源設備 → 冷却設備
という一連のインフラです。
そう考えると、電気料金そのものに投資するよりも、電力需要増加によって設備投資が必要になる会社を探した方が面白いのではないかと思いました。
気になったのがSWCC
調べていて最初に気になったのが、SWCC(5805)です。
SWCCは電力ケーブルなどを手掛けており、AIデータセンターのように大電力を必要とする施設が増えるほど、「電気を運ぶ設備」の重要性も高まります。
さらに2026年8月、SWCCはFaraday Factory Japanと、データセンター向けの超電導ケーブルシステムについて基本合意を締結しました。
同社によると、従来の電力ケーブルでは大電力化に伴ってケーブルの大径化や本数増加、発熱などが課題になります。今回の取り組みでは、細径・省スペースで大容量の電力供給を実現する超電導ケーブルを開発し、2030年度までの社会実装を目指しています。
参考:SWCC「超電導ケーブル事業の社会実装に向けた基本合意書を締結」
「AI関連株」というと半導体を思い浮かべますが、電気を運ぶケーブル会社も間接的なAI関連株になり得るというのは面白いところです。
富士電機もかなり面白そう
もう一社気になったのが富士電機(6504)です。
こちらはSWCCとは少し違って、データセンターの電源・冷却設備に幅広く関わっています。
富士電機は、IDC(インターネットデータセンター)向けの大容量UPSや電機盤などの能力増強を進めており、2026年度の事業戦略でもIDC分野を成長領域の一つとして位置付けています。
さらに面白いと思ったのが冷却設備です。
AIサーバーは大量の熱を出すため、冷却にもかなりの電力を使います。富士電機によると、データセンターでは消費電力の30~40%をサーバー冷却が占める場合があり、同社は水冷データセンター向けに、冷却時の消費電力を最大85%削減する「エジェクタ冷却機」を2026年6月に発売しました。
参考:富士電機「水冷データセンターの劇的な省エネを実現 世界初!エジェクタ冷却機の発売について」
電力不足になるほど、「どう発電するか」だけでなく「どう電気を節約するか」も重要になりそうです。
半導体だけがAI関連株ではなさそう
これまでAI投資というと、NVIDIAをはじめとするGPUや半導体関連株が真っ先に思い浮かびました。
ただ、AIデータセンターが本当に世界中で増えていくのであれば、
「GPUを作れるか」だけでなく、「そのGPUに電気を届けられるか」
という問題が出てきます。
今回Googleが約3.6GWもの電力確保に動いたニュースを見ると、それが単なる将来の話ではなくなってきているように感じます。
今後は、
AI半導体 → データセンター → 発電 → 送電 → 変圧 → 冷却
というところまで視野を広げて、投資先を探してみても面白そうです。
今のところSWCCと富士電機が気になる
現時点では、個人的にはSWCCと富士電機が気になっています。
SWCCは「大量の電力を運ぶ」という部分が分かりやすく、富士電機は電源設備から冷却まで幅広くデータセンター需要に関われるところが魅力的です。
一方で、AIやデータセンター、電力インフラはすでに注目されているテーマです。将来性があるからといって、株価が割安とは限りません。
私は過去に期待して早めに買い増ししすぎた経験もあるので、今回は「面白そうだからすぐ大きく買う」というより、まず株価や業績、PERなどをもう少し調べてみようと思います。
先日、保有していた伊藤園の優先株を売却したので、その資金の次の行き先として少額買ってみるのも面白いかもしれません。
ただし、無理に買いたい銘柄が見つからなければ、現金のままでもいいかなと思っています。
AI時代の主役は、意外と華やかな半導体企業だけではなく、電線や変圧器、冷却設備を作っている企業なのかもしれません。
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※本記事は個人の投資記録・考えをまとめたもので、特定の銘柄の購入を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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