サイバーセキュリティ関連株が急騰|少額で買える小型株もあるけれど、慎重に見極めたい

最近、不正アクセスや個人情報流出のニュースが続いていて、怖いと感じています。

前回は、自分の楽天証券のNISA口座を守るために、どんな対策ができるのかを調べました。

一方で、株式市場ではサイバーセキュリティ関連の銘柄に買いが集まっていました。情報漏えいへの警戒から、対策サービスの需要が増えるとの期待が背景にあると報じられています。10月8日の市場報道

被害のニュースを見て不安になっていましたが、その対策を提供する企業にも目を向けると、ニュースの見え方が少し変わります。

ただ、株が上がっているからといって、すぐに買ってよいのかは別の話です。

どんな会社の株が上がっていたのか

10月8日は、サイバーセキュリティクラウド、カウリス、セキュアヴェイル、ブロードバンドセキュリティなどが、午前の取引でストップ高やストップ高買い気配になったと報じられました。当日の報道

関連企業といっても、手掛ける対策はさまざまです。

例えば、サイバーセキュリティクラウドは、Webサイトへの攻撃を遮断する「攻撃遮断くん」を提供しています。公式サービス紹介

カウリスは、口座開設やログイン、入出金などで不審なアクセスを検知する「Fraud Alert」を提供しています。証券口座の不正アクセスを心配していた自分にとっても、関心を持ちやすい事業です。公式サービス紹介

また、ショーケースやELEMENTSはオンライン本人確認のサービスを提供しています。本人確認やなりすましへの対策も、デジタル取引を支える大切な仕組みです。ショーケースのサービス紹介、ELEMENTSの発表

TWOSTONE&Sonsからは、10月8日にグループ会社のサイバーセキュリティ領域への参入が発表されました。AIによる探索と、人による検証を組み合わせ、Webアプリケーションなどの弱点を調べるサービスです。企業発表

こうして見ると、一口にセキュリティ関連株といっても、事業の内容はかなり違います。

数万円なら買える。でも、それだけでは判断できない

今回の銘柄には、1株数百円で取引されているものもあります。

100株でも数万円なら、「試しに買ってみようかな」と思える水準です。

ただ、ここで気をつけたいのが、少額で買えることと、割安であることは別という点です。

1株の値段だけでは、会社全体がどのくらいの価値で評価されているのかは分かりません。

発行済み株式数や利益の大きさによっては、株価が数百円でも、かなり高い成長期待を織り込んでいる場合があります。

まずは株価だけでなく、時価総額や業績も確認したいと思いました。

買う前に確認したい6つの基準

小型株を検討するなら、次のような項目を見ておきたいです。

基準 確認したいこと
本業との関係 セキュリティ事業が売上や利益のどれくらいを占めるか
業績の成長 売上と営業利益が伸びているか、会社予想に対する進捗はどうか
収益の継続性 継続契約があるか、特定の顧客や単発案件に依存していないか
財務と資金調達 現預金、借入、営業キャッシュフロー、増資や新株予約権の状況
株価の割高感 時価総額、PER、同業他社や過去の評価との比較
売買のしやすさ 普段の売買代金や注文状況、最近どのくらい急騰したか

① セキュリティが本業なのか

関連サービスを持っているだけで、会社全体への影響が大きいとは限りません。

セキュリティ事業が収益の中心なのか、それとも事業の一部なのか。まずは決算資料で確認したいところです。

新しく参入した会社なら、事業がどの段階にあるのかも見ておく必要があります。

② 売上だけでなく利益も伸びているか

売上が増えていても、費用がそれ以上に増えれば利益は残りません。

直近の決算だけでなく、数四半期分を並べて、売上と営業利益の推移を見たいです。

赤字の会社なら、赤字が縮小しているのか、資金をどのくらい使っているのかも重要になります。

③ 契約が継続する仕組みか

月額契約や継続利用が中心のサービスなら、収益の積み上がりを確認できます。

ただ、継続課金だから安心というわけではありません。顧客数、解約の状況、特定顧客への依存なども、開示されている範囲で見ておきたいです。

④ 事業を続ける資金に余裕があるか

将来性があっても、事業を続けるには資金が必要です。

手元の現金や借入、営業活動で現金を生み出せているかを確認します。

増資や新株予約権などの資金調達がある場合は、その目的と、株式数が増える影響も読んでおきたいと思います。

⑤ 成長期待を織り込みすぎていないか

PERは、株価を1株当たり利益で割った指標です。JPXの投資指標の説明

ただ、低ければ必ず割安、高ければ必ず買えないという単純なものではありません。

今後の成長率や、一時的な利益の影響も合わせて考える必要があります。赤字の会社では、PERによる比較も難しくなります。

「良い会社かどうか」と「今の値段で買いたいかどうか」は、それぞれ考えたいところです。

⑥ 普段から売買されているか

急騰した日に取引が多くても、普段から売買が活発とは限りません。

小型株では注文が少なく、希望する価格で売買しにくい場合があります。売りたいときに買い手が少なければ、想定した価格で売れるとは限りません。

その日の出来高だけでなく、普段の売買代金や注文状況も確認したいです。

「注目された」と「利益が増えた」は分けて考える

今回、特に意識しておきたいと思ったのが、この3段階です。

  1. ニュースをきっかけに、関連テーマとして注目された。
  2. 実際に契約や受注が増えた。
  3. 決算で売上や利益の増加を確認できた。

この3つは、同じではありません。

例えば、サイバーセキュリティ領域への参入は具体的な動きですが、その事業によってどのくらい利益が増えるかは、別途確認が必要です。

既存のサービスを持つ会社でも、需要への期待が実際の契約や利益につながるかを見ていきたいと思います。

試しに買う場合も、先に決めておきたいこと

少額で買ってみるとしても、買う前に次の3つは決めておきたいです。

  • 買う理由:どのサービスの、何が伸びると考えているのか。
  • 見直す条件:成長鈍化や赤字拡大など、どんな変化があれば判断を見直すのか。
  • 投資額の上限:追加購入も含め、いくらまでにするのか。

例えば5万円を投資した場合、30%下落すると1万5,000円、50%下落すると2万5,000円の損失です。

率だけではなく、金額で考えると、自分が受け止められる範囲か判断しやすくなります。

また、セキュリティ関連株を何社か買っても、同じニュースや期待で一緒に動く可能性があります。銘柄を増やすだけでは、十分に分散できない場合もあります。金融庁の資産形成の基本

まずは最新決算を読んでみたい

サイバーセキュリティは、自分の生活や資産を守るという意味でも関心のある分野です。

その対策を提供する会社を調べることは、投資先を考えるだけでなく、どんな仕組みで安全を支えているのかを知るきっかけにもなります。

数万円なら買える銘柄もありますが、株価の安さや急騰した勢いだけでは判断しないようにしたいです。

まずは気になった会社の最新決算を読み、事業の内容、利益の伸び方、財務、今の株価を順番に確認してみようと思います。

※本記事は、関連するニュースをきっかけに銘柄の見方を整理したものです。特定銘柄の購入や売却を推奨するものではありません。

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