こんにちは! 最近、仕事を辞めて、もう少し自由な働き方ができないかと考えています。以前からFIREを目指して資産形成を続けていますが、最近は完全に仕事を辞めることだけが正解ではないような気もしてきました。
例えば、今の仕事を辞めて半年くらいゆっくりする。あるいは、しばらく転職活動をして、今より収入が少なくても週3〜4日で働ける仕事を探してみる。そういう選択肢もあってよいのではないでしょうか。
ただ、やっぱり心配なのがお金です。収入がなくなれば、当然ながら生活費は資産から取り崩すことになります。そこで今回は、資産2,000万円を保有したまま仕事を辞めた場合、投資を続けながらどれくらい生活できるのかを計算してみました。単純に貯金を使い切る計算ではなく、運用益や株価下落の影響も含めて考えてみます。
以前書いた「5,000万円でFIREできる? 取り崩しと1,800万円からのコーストFIREを考える」では、長期的なFIREについて検討しました。今回は、転職に向けた短期から中期の生活費に焦点を当てます。
資産2,000万円は完全FIREには少ないけれど…
資産2,000万円というのは、決して小さな金額ではありません。ただ、この資産だけで一生暮らそうとすると、少し心もとない気もします。例えば年間150万円を使う場合、2,000万円は約13.3年分の生活費。30代から完全に働かずに暮らすには不安が残ります。
でも、今回考えたいのは完全FIREではありません。転職するまでの数か月から数年間、収入が途絶えても生活を維持できるかという話です。次の仕事が決まるまでの生活費を確保できていれば、焦って条件の悪い仕事を選ばずに済むかもしれません。資産形成には、そういう意味もあるのではないかと思っています。
運用しながら取り崩す場合の条件
- 初期資産:2,000万円
- 年間生活費:150万円(月平均12.5万円)
- 給与収入:ゼロ
- 運用利回り:年0%、3%、5%、7%の4パターン
- 1年ごとに運用益を反映し、年末に150万円を取り崩す
- 税金、社会保険料、運用手数料、物価上昇は計算に含めない
生活費は年間150万円に設定しました。私自身、現在の毎月の基本的な支出は比較的少ないのですが、家電の買い替えや臨時出費なども考えると、年間150万円程度で計算する方が現実に近いと思います。
ただし退職後は健康保険料や年金、住民税などの負担が変わるため、実際に150万円で収まるとは限りません。まずは仕組みを理解するための計算です。
年3%や5%で運用できれば、取り崩し期間は長くなる
| 年間利回り | 5年後の資産 | 10年後の資産 | 資産が尽きる年 |
|---|---|---|---|
| 0% | 1,250万円 | 500万円 | 14年目 |
| 3% | 約1,522万円 | 約968万円 | 18年目 |
| 5% | 約1,724万円 | 約1,371万円 | 23年目 |
| 7% | 約1,942万円 | 約1,862万円 | 41年目 |
※毎年必ず同じ利回りで運用できると仮定した計算です。実際の市場を予測したものではありません。資産が尽きる年は年末の取り崩しに必要な額が不足する年を示します。
年0%の場合、資産は生活費の分だけ毎年150万円ずつ減っていきます。ところが年5%で運用できた場合は、10年後でも約1,371万円が残る計算です。思ったよりも残りますね。
もちろん現実の株式市場が毎年5%ずつ上昇するわけではありません。マイナス20%の年もあれば、大きく上昇する年もあります。それでも、運用を続けるかどうかで資産が減る速度は大きく変わる可能性があると分かりました。
転職まで半年・1年・3年ならどうなる?
次に、もう少し現実的な期間を考えます。今の仕事を辞めて半年休み、そこから転職活動をして次の仕事を探すとしたらどうでしょうか。ここでは運用益を考えず、生活費だけを取り崩した残高を見てみます。
| 無収入の期間 | 取り崩す生活費 | 残る資産 |
|---|---|---|
| 6か月 | 75万円 | 1,925万円 |
| 1年 | 150万円 | 1,850万円 |
| 2年 | 300万円 | 1,700万円 |
| 3年 | 450万円 | 1,550万円 |
資産2,000万円に対して、1年分の生活費150万円は7.5%です。決して小さくはありませんが、転職活動のために一定期間休むという目的なら、数字の上では検討できそうです。一方で3年間無収入だと450万円を使います。その間に株価が大きく下がれば、さらに資産が減る可能性もあります。
月5万円だけ稼げれば、結果はかなり変わる
ここからが今回、一番興味深かった部分です。完全に収入ゼロになるのではなく、月5万円だけ働いて稼げたらどうでしょうか。例えば、週2〜3日の仕事や継続的な副収入などです。
年間生活費150万円に対して、手取り収入が年間60万円あれば、資産から取り崩す金額は年間90万円になります。これを運用しながら続けた場合、結果は次のとおりです。
| 年間利回り | 5年後の資産 | 10年後の資産 |
|---|---|---|
| 0% | 1,550万円 | 1,100万円 |
| 3% | 約1,841万円 | 約1,656万円 |
| 5% | 約2,055万円 | 約2,126万円 |
| 7% | 約2,288万円 | 約2,691万円 |
年5%のケースでは、毎年90万円を取り崩しているのに、10年後の資産が2,000万円を上回りました。初期資産2,000万円に対する年5%の運用益は最初の1年間で100万円。年間取り崩しが90万円なら差し引き10万円が残り、その増えた資産にも翌年の運用益が付きます。
もちろん、これは毎年5%の利益が出るという都合のよい仮定です。実際は値下がりする年もあるので、そのまま期待するのは危険です。それでも、生活費の一部を働いて稼ぐだけで、資産の減少をかなり抑えられることは分かりました。私が考えているサイドFIREに近い生活ですね。
ただし、退職直後に株価が暴落したら?
ここで、厳しいシナリオも計算してみました。資産2,000万円を保有して仕事を辞めた直後、運用資産が30%下落したと仮定します。2,000万円の30%は600万円なので、資産は一気に1,400万円相当になります。
その後は毎年5%ずつ回復すると仮定しても、結果は大きく変わります。
| シナリオ | 10年後の資産 |
|---|---|
| 毎年5%で運用・年間150万円取り崩し | 約1,371万円 |
| 初年度−30%、以降5%・年間150万円取り崩し | 約285万円 |
| 初年度−30%、以降5%・年間90万円取り崩し | 約1,040万円 |
※初年度の−30%の運用損益を反映した後、各年末に取り崩す条件です。税金・手数料などは含みません。
これはかなり怖いですね。毎年5%で運用できるケースと比べると、退職直後に暴落した場合は10年後の資産が大きく減ってしまいます。途中で生活費のために投資信託を売却すると、その後に相場が回復しても、売った分の資産は戻ってきません。
こうしたリスクを「リターンの順序によるリスク」と呼ぶそうです。取り崩しを始める直後に大きな損失が出るかどうかで、その後の資産残高は大きく変わります。
私なら生活費2年分程度は現金で残したい
今回の試算を見て、運用しながら取り崩す場合でも現金の確保は必要だと感じました。例えば資産2,000万円を現金300万円、投資信託・株式など1,700万円に分ける方法です。
| 資産の種類 | 金額 |
|---|---|
| 現金 | 300万円 |
| 投資信託・株式など | 1,700万円 |
| 合計 | 2,000万円 |
現金300万円があれば、年間150万円の生活費なら約2年分。転職直後に相場が大きく下がっても、現金から生活費を支払えば投資資産を安値で売らずに済む可能性があります。
もちろん現金は使えば減ります。2年経っても仕事が決まらなければ、投資資産の売却などを考える必要があります。現金を多く持つことで運用益が小さくなる可能性もありますが、無収入で暮らすなら安心感も重視したいです。
退職すると税金や社会保険料の負担も変わる
会社員の場合、健康保険料や厚生年金保険料は給与から天引きされています。次の勤務先が決まらずに退職すると、健康保険や国民年金の手続きが必要になります。
健康保険には、国民健康保険、任意継続、条件を満たす場合は家族の扶養に入る方法などがあります。また、20歳以上60歳未満で厚生年金に加入しない場合は、原則として国民年金への切り替えも必要です。住民税は前年所得に基づくので、退職直後でも負担が残ることがあります。
現在の生活費が年間150万円でも、退職後も同じ支出で済むとは限りません。実際に退職する場合は税金と社会保険料を別途見積もっておく必要があります。
これはコーストFIREなのか、サイドFIREなのか?
一般的にコーストFIREは、老後に必要な資産をすでに確保し、その後は追加投資をしなくても資産の成長に任せられる状態を指します。一方、サイドFIREは資産運用と労働収入を組み合わせる考え方です。今回のように資産を取り崩しながら月5万円程度の収入を得て暮らす方法は、コーストFIREというよりサイドFIREに近いかもしれません。
ただ、私にとって厳密にどちらに分類するかはそれほど重要ではありません。大切なのは、今より少ない時間だけ働いて、無理なく生活できるかどうかです。以前は3,000万円、5,000万円といった大きな目標ばかり意識していましたが、今の資産を活用して働き方を変えることも検討する価値がありそうです。
仕事を辞めることと、仕事を選べることは違う
今回の計算をしていて、資産形成の目的が少し変わってきたと感じました。以前はできるだけ早く仕事を辞め、一生働かずに暮らすことを目標にしていました。今でも自由な生活には憧れますが、最近は週3〜4日程度で働き、残りの時間を自由に使える生活もよいのではないかと考えています。
例えば完全在宅で残業が少ない仕事に転職する。収入が多少減っても生活費を賄えるなら、必ずしも今と同じ収入にこだわる必要はないかもしれません。資産が2,000万円程度あれば、転職活動に時間がかかっても、すぐに生活できなくなるわけではありません。
もちろん家族の事情、住居費の変化、病気などで支出が増える可能性もあります。それでも、資産があることで仕事の選択肢が広がるのは、資産形成の大きなメリットだと思います。
まとめ:2,000万円は仕事を選ぶ自由につながるかもしれない
今回、資産2,000万円を運用しながら取り崩すシミュレーションを行いました。年間150万円の生活費をすべて資産から支払う場合でも、運用を続ければ、運用しない場合より長持ちする可能性があります。
さらに月5万円の手取り収入を得られれば、年間の取り崩し額は90万円まで減ります。一定の条件では、資産を取り崩しているのに10年後に資産が増えている結果にもなりました。
ただし安定した運用利回りを仮定した試算です。実際には退職直後に株価が暴落するリスクもあるので、私なら生活費の1〜2年分程度を現金で確保したうえで残りを運用する方法を検討したいです。
資産2,000万円で完全FIREするのは難しいかもしれません。しかし、資産2,000万円があれば、今より自由に仕事を選べるかもしれない。 これまで続けてきた資産形成にも、単なる老後資金以上の意味があるように感じました。
これからは、いくら貯めれば一生働かずに済むかだけでなく、いくらあれば無理のない働き方に移れるかという視点でも考えていきたいと思います。
参考資料
※この記事は2026年10月時点の情報に基づく個人的な試算です。運用利回りや生活費は仮定であり、将来の成果を保証するものではありません。一定の年間利回り、年末取り崩しを仮定し、税金・社会保険料・手数料・物価上昇などは反映していません。

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