FXは勝率90%でも破産する?バルサラの破産確率から考える、退場しないための資金管理

こんにちは!

最近、10万円を使ってFXのスワップ運用を始めました。できるだけ低いレバレッジで運用するつもりだったのですが、円高になったところでナンピンしてしまい、現在の実効レバレッジは約3.2倍になっています。

最初はスワップポイントをコツコツ受け取るつもりだったのに、気づけば為替レートの値動きが気になって仕方ありません。

そんな中、FXの資金管理について調べていて、面白い考え方を知りました。「バルサラの破産確率」です。最初は「バルハラ破産の法則」だと思っていたのですが、正しくはバルサラでした。

どうやらFXでは勝率が高いだけでは安心できないようです。今回はこの理論を勉強しながら、FXで退場しないためには何が必要なのか考えてみます。

バルサラの破産確率とは?

バルサラの破産確率とは、一定のルールに従って取引を続けた場合、資金があらかじめ決めた破産水準に達するリスクを考える理論です。ナウザー・バルサラ(Nauzer J. Balsara)氏の1992年の著書『Money Management Strategies for Futures Traders』で取り上げられています。

ここで重要になるのが主に次の3つです。

項目 意味
勝率 取引で利益が出る割合
リスクリワード比 平均利益が平均損失の何倍あるか
1回あたりのリスク 1回の取引で資金の何%を失う可能性があるか

例えば勝率が高くても、負けたときの損失が大きすぎれば資金は減ってしまいます。逆に勝率が低くても、勝ったときの利益が十分大きければ長期的にプラスになる可能性があります。また、利益が期待できる戦略でも取引数量が大きすぎれば、途中の連敗で資金を大きく失うおそれがあります。つまり、負けたときにどの程度の損失を受けるのかが重要になるんですね。

勝率90%でも負ける戦略がある

まず、勝率の高さだけでは利益を判断できない例を考えます。

項目 戦略A 戦略B
勝率 90% 40%
平均利益 100円 2,000円
平均損失 1,000円 1,000円
リスクリワード比 0.1 2.0

戦略Aは勝率90%。10回のうち9勝1敗だった場合、100円×9回−1,000円×1回=−100円。9回も勝っているのにトータルはマイナスです。

一方、戦略Bは勝率40%。10回のうち4勝6敗なら、2,000円×4回−1,000円×6回=+2,000円。負けた回数の方が多くてもプラスです。

実際の取引結果は毎回異なり、スプレッドなどの取引コストもありますが、勝率の高さと儲かる戦略かどうかは別問題だと分かります。

大切なのは期待値

ここで覚えておきたいのが期待値です。

期待損益=勝率×平均利益−敗率×平均損失

戦略Aなら0.9×100円−0.1×1,000円=−10円。戦略Bなら0.4×2,000円−0.6×1,000円=+200円。取引1回あたりの期待損益が変わります。

取引を繰り返したときに利益が残るかどうかを考えるには、勝率だけでなくリスクリワードを組み合わせる必要があるんですね。ただし、過去の成績から計算した期待値がプラスでも、将来の成績が保証されるわけではありません。取引コストも反映させる必要があります。

期待値がプラスでも破産する?

ここからがさらに重要な部分です。長期的には利益が期待できる戦略でも、資金の半分を失うような取引を毎回続けたら危険ですよね。どんな戦略でも連敗する可能性があります。

初期資金10万円で、1回の損失額を固定した単純な例を見てみます。

1回の損失 初期資金に対する割合 5連敗した場合
1,000円 1% −5,000円
2,000円 2% −10,000円
5,000円 5% −25,000円
10,000円 10% −50,000円

※毎回の損失額を固定した単純計算です。各取引時点の残高に一定割合を掛ける場合とは結果が異なります。

取引1回あたりのリスクを小さくする大切さが分かります。なお、この表はバルサラの破産確率を直接計算したものではありません。実際の破産確率は勝率、損益比、資金配分、破産と定義する水準、取引数量の決め方などに左右されます。

10万円のFX運用に当てはめてみる

自分のFX運用に戻ってみます。

項目 内容
初期資金 100,000円
通貨ペア 米ドル円LIGHT
保有数量 0.2Lot(2,000通貨)
実効レバレッジ 約3.2倍
10月24日時点の口座純資産 98,985円
開始時からの損益 −1,015円

当初は0.1Lotだけ保有するつもりでしたが、円高になったためさらに0.1Lotを追加購入しました。いわゆるナンピンですね。平均取得価格は下がっても、保有数量が増えれば為替変動の影響も大きくなります。

現在は2,000米ドルを保有しているため、単純計算では米ドル円が1円動くと約2,000円の損益が発生します。

米ドル円の変動 評価損益の変化
1円上昇 +2,000円
1円下落 −2,000円
3円下落 −6,000円
5円下落 −10,000円
10円下落 −20,000円

※現在の評価損益からの追加変化額です。スワップやスプレッドなどは考慮していません。

5円の円高で、初期資金の10%に当たる金額が動く計算です。スワップを数十円ずつ積み重ねるつもりだったので、為替差損の影響はかなり大きいですね。

ナンピンは悪いことなのか?

ナンピン自体が必ず悪いというわけではないと思います。最初から資金配分や最大保有数量を決め、想定した価格帯で分割して購入する戦略もあります。

ただし、含み損を取り戻したい気持ちだけで、際限なく数量を増やすのは危険です。私も当初0.1Lotで運用するつもりだったのに0.2Lotへ増やし、実効レバレッジが約3.2倍になったところで怖くなってきました。事前にどこまでリスクを取るか決めていなかったことが問題なのかもしれません。

しかもスワップ運用は、頻繁に利益確定と損切りを繰り返す戦略とは限りません。長期保有しながらスワップを受け取る場合、勝率や平均損益をどう定義するかも難しくなります。バルサラの破産確率に現在の数字を入れるだけで正確な確率が分かるわけではありません。それでも、最大損失を事前に考える発想は活用できそうです。

スワップ運用でも損切りを考えるべき?

正直なところ、スワップ運用の損切りはまだ勉強中です。長期保有なら多少の為替変動に耐える必要がありますが、円高がどこまでも進む可能性を無視するのも危険です。スワップポイントの水準も変動し、金利差が縮小すれば当初の想定が崩れる可能性があります。

また、FX会社のロスカット制度があるから安心というわけでもありません。急変動時には想定価格で決済できず、証拠金を超える損失が生じる可能性もあります。

だからこそ、どの程度の円高やスワップ低下まで耐えられるのか、資金管理の段階で考える必要があります。今回の運用ではこれ以上のナンピンを控え、保有数量を0.1Lotに戻すことを検討しています。できれば円安に戻ったところで決済したいですが、必ず戻るとは限りません。相場の反発だけに頼らず、損失拡大時の対応も考えておきたいです。

破産確率をゼロにするのは難しい

どれだけ資金管理を徹底しても、為替市場を完全に予測することはできません。また、バルサラの破産確率も、設定した勝率や損益比などの前提が成り立つモデルです。計算上の破産確率が小さくても、将来の安全を保証するわけではありません。

ただ、破産リスクを小さくするためにできることはあります。1回の許容損失を決めること。リスクリワードの悪い取引を繰り返さないこと。含み損を取り戻そうとして無計画にポジションを増やさないこと。そして、想定外のときに冷静に保有数量を縮小できるようにすることです。難しい相場予測をしなくても取り組める部分ですね。

まとめ:FXで大切なのは、退場しないこと

バルサラの破産確率を勉強して、FXへの考え方が少し変わりました。勝率が高くても損失の方が大きければ資金は減ります。期待値がプラスでも、1回の取引で大きなリスクを取りすぎれば連敗に耐えられないかもしれません。

FXで長く生き残るには、利益を狙う戦略と、損失を限定する資金管理の両方が必要なんですね。今回の10万円スワップ運用でナンピンしてしまった自分には耳の痛い話でもあります。

まだ少額で実験している段階なので、この経験を機に取引数量や許容損失をもっと勉強していこうと思います。一度の大勝ちよりも、何度負けても市場に残れること。もちろん退場しないだけでは利益は増えないので、長期的に期待値がプラスになる戦略も必要です。まずは大きな失敗で運用を終わらせないことを意識したいです。

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参考資料

Wiley:Nauzer J. Balsara『Money Management Strategies for Futures Traders』

Titan FX:バルサラの破産確率シミュレーター

金融先物取引業協会:FX取引の規制について

金融先物取引業協会:ロスカット・ルール

※この記事は個人的な学習と運用記録です。計算例は単純化したもので、将来のFX運用成果や破産確率を予測するものではありません。FXには元本を超える損失が生じる可能性があります。

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